御家彫とは何か──後藤家が語る美の仕組みと信頼
名も刻まれず、ただ“家”の名のもとに作られた刀装具──。後藤家は、四百年にわたって彫金の伝統を支え、制度の中で美を育てた一族でした。この記事では、その足跡と思想をたどりながら、「家業」という視点から刀装具の文化的役割を見...
運営からのお知らせ、想いや体験などのエッセイ
名も刻まれず、ただ“家”の名のもとに作られた刀装具──。後藤家は、四百年にわたって彫金の伝統を支え、制度の中で美を育てた一族でした。この記事では、その足跡と思想をたどりながら、「家業」という視点から刀装具の文化的役割を見...
刀装具や日本文化について学びたいと感じたとき、信頼できる資料に触れることはとても大切です。とはいえ、古い書籍は手に入れにくく、すぐに読める環境が整っているとは限りません。そんな時に頼りになるのが、国立国会図書館デジタルコ...
後藤家は、刀装具の制作において長く宗家としての地位を保ち、格式ある「家彫」の系統として知られてきました。江戸幕府をはじめとする将軍家や有力大名に仕えたその歴史は、権威と制度のもとに積み重ねられたものといえます。 その一方...
家彫という言葉に象徴されるように、後藤家の刀装具は単なる職人仕事ではなく、家格や組織的な仕組みと共に紡がれてきた技術と格式の集積でした。 前編では、初代祐乗から四代光乗に至るまでの技術と思想の確立をたどりましたが、後編で...
日本刀を飾る刀装具は、単なる装飾にとどまりません。 武家の身分や美意識を映し出すこれらの彫金は、時に権威の象徴として、時に精神性を語る手がかりとして重んじられてきました。 その中でも後藤家は、四百年にわたり将軍家や大名に...
2025年6月15日、東京・御茶ノ水ファーストビルの8階にて、初めての刀装具展示を行いました。当日は13時から17時まで会場の一角をお借りし、私たち「紡盛堂」が所蔵する刀装具を展示しました。 展示といっても、格式ばったも...
刀装具の価格を見て、「高い」と感じたことがありますか?私はあります。というか、最初の頃はほとんどすべてが高く感じていました。 目貫、鐔、縁頭……。初めて見るジャンルは、たとえ価格が控えめであっても、「未知のもの」に対する...
刀剣に興味があるけれど、本物の刀を手に入れるのはちょっとハードルが高い…… そんなあなたにぴったりなのが「刀装具」の世界。今回は、数ある刀装具の中から「目貫(めぬき)」の魅力をご紹介します。 👇️前回の記事はこちら 刀剣...
刀装具のなかでも、最初はなかなか意識されにくい部位があります。「縁頭(ふちがしら)」──鞘の縁(ふち)と柄の頭(かしら)に取り付けられる金具で、あまり目立たない部分かもしれません。ですが、私にとってはこの縁頭こそ、刀装具...
鐔(つば)に施された“透かし”という技法には、光と影が織りなす美しさがあります。刀を握る人の手元にありながら、見る者の目を奪うほどの繊細な意匠──それが透かし鐔の魅力です。今回は、私が思わず見入ってしまった透かし鐔との出...
鐔(つば)という刀装具には、正面から見える意匠だけでなく、その「裏側」にも独特の魅力があります。今回は、私自身が惹かれた一枚の鐔を通して、“裏の美しさ”についてお話ししてみたいと思います。 👇️前回の記事はこちら 鐔との...
刀装具の魅力は、意匠や技法だけではありません。その中には、四季の草花が描かれていることが多くあります。 👇️前回の記事はこちら 梅、桜、朝顔、菊──いずれも、日本人にとってなじみ深い季節の花ばかりです。 中でも、最近手に...
雨宿りで偶然出会った日本刀。それが、私と刀装具の世界とのはじまりでした。 👇️前回の記事はこちら かつての日本刀には、多くの美しい金属装飾が添えられていました。今回は、その中でも特に私の心をとらえた「目貫」という小さな存...
刀剣に関心を持ったきっかけは、ある雨の日の偶然の出会いでした。初心者の視点で、日本刀や刀装具への興味が広がっていく感覚を綴っています。