2025年6月15日、東京・御茶ノ水ファーストビルの8階にて、初めての刀装具展示を行いました。
当日は13時から17時まで会場の一角をお借りし、私たち「紡盛堂」が所蔵する刀装具を展示しました。
展示といっても、格式ばったものではなく、どちらかといえば気軽にふらりと立ち寄れるマルシェ形式。
同じフロアには温熱療法の体験ブースや天然石アクセサリーの販売など、さまざまなお店が並び、多くの方が思い思いに歩きながら、出店者との会話を楽しむ穏やかな雰囲気が広がっていました。
そんな中で、私たちの展示ブースにも刀装具という少し異質な存在に興味をもって足を止めてくださる方が、思いのほか多くいらっしゃいました。
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もくじ
「こんな世界があるなんて」──刀装具との初めての出会い
今回展示したのは、目貫や縁頭、鐔など12点。
これまでブログでご紹介してきたものも含まれています。
いずれも江戸時代頃に作られたと思われるもので、金工師たちが生み出した精緻な造形と表現の豊かさが光る逸品ばかりです。
来場者のなかには、刀装具という言葉自体を初めて聞いたという方も多く、
「本当に初めて見ました。こんな繊細な世界があったんですね」
「娘が日本刀にハマっていて…思わず写真を送りました」
といった、初めてこの世界に触れた方の新鮮な驚きや感動の声を、何度も聞くことができました。
なかには、目貫の細かな彫りに見入って、しばらくその場を離れずにじっと観察されていた方もいらっしゃいました。
普段はネットや写真でしか見ることのできない刀装具を、手の届く距離で見られる機会というのは、やはり特別なものだったのだと感じます。

刀装具の魅力を、もっと広く伝えたい
今回の展示会では、装飾品としての美しさだけでなく、「どうしてこの意匠が使われたのか?」「誰のために作られたのか?」といった、刀装具がもつ物語性に惹かれる方も多くいらっしゃいました。
例えば、馬の目貫には「忠誠心」や「駆ける力強さ」が込められていたり、朝顔の縁頭には「儚さ」や「静けさ」が漂っていたり。
それぞれの刀装具が持つ意味や背景をお伝えすると、「ただの飾りじゃないんですね」と頷かれる方が何人もいて、思わずこちらも嬉しくなりました。
展示会終了後、改めて実感したのは、やはり現物を見ていただくことの大切さです。
写真や文章では伝えきれない立体感、金属の質感、職人の手の痕跡。
それらは、目の前で見るからこそ、静かに語りかけてくるものがあるように思います。
今後の予定について
今回の展示を通じて、「もっと多くの方に刀装具の魅力を伝えていきたい」と、改めて強く感じました。
今後も、イベントや企画展など、気軽に足を運べる場に積極的に出展していく予定です。
もちろん、今回のようにはじめて刀装具に触れる方にも楽しんでいただける展示を目指していきます。
また、次回以降の展示情報や出店予定は、当ブログやInstagramなどのSNSを通じて発信していきますので、ぜひフォローしてチェックしていただけたら嬉しいです。
おわりに──「出会い」の始まりとして
刀装具に詳しい方も、まったく知らなかった方も、それぞれの「はじめての出会い」が生まれたこと。
その場に立ち会えたことが、何よりも今回の展示の大きな収穫でした。
刀装具は、武士の美意識や精神性を映す“小さな世界”です。
その世界が、どこかの誰かの日常にふと寄り添うような存在になることを、これからも願って活動していきたいと思います。
今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします。

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