もうひとつの後藤家──京に残された分家の矜持
後藤家は、刀装具の制作において長く宗家としての地位を保ち、格式ある「家彫」の系統として知られてきました。江戸幕府をはじめとする将軍家や有力大名に仕えたその歴史は、権威と制度のもとに積み重ねられたものといえます。 その一方...
後藤家は、刀装具の制作において長く宗家としての地位を保ち、格式ある「家彫」の系統として知られてきました。江戸幕府をはじめとする将軍家や有力大名に仕えたその歴史は、権威と制度のもとに積み重ねられたものといえます。 その一方...
家彫という言葉に象徴されるように、後藤家の刀装具は単なる職人仕事ではなく、家格や組織的な仕組みと共に紡がれてきた技術と格式の集積でした。 前編では、初代祐乗から四代光乗に至るまでの技術と思想の確立をたどりましたが、後編で...
日本刀を飾る刀装具は、単なる装飾にとどまりません。 武家の身分や美意識を映し出すこれらの彫金は、時に権威の象徴として、時に精神性を語る手がかりとして重んじられてきました。 その中でも後藤家は、四百年にわたり将軍家や大名に...