支える力の象徴としての牛──刀装具に見る静かな強さ
刀装具の世界では、虎や龍といった勇壮な動物の意匠が目を引きますが、今回ご紹介する目貫はそれとは少し異なる趣を持っています。 向かい合う二疋の牛。その静かで重厚な構図には、雄々しさよりも穏やかさ、そしてゆるやかな緊張感のよ...
刀装具の世界では、虎や龍といった勇壮な動物の意匠が目を引きますが、今回ご紹介する目貫はそれとは少し異なる趣を持っています。 向かい合う二疋の牛。その静かで重厚な構図には、雄々しさよりも穏やかさ、そしてゆるやかな緊張感のよ...
刀装具には、実にさまざまな意匠があります。動植物や伝説上の存在だけでなく、身近な道具や文様が題材となることも少なくありません。 今回ご紹介する「矢羽根(やばね)」の目貫は、その代表的な例のひとつ。古来より武士の象徴であっ...
枝菊図目貫無銘赤銅地 容彫 金色絵 長さ:41.0mm 幅:11.8mm 厚さ:5.1mm 重さ:5.4g長さ:40.3mm 幅:14.1mm 厚さ:5.3mm 重さ:5.8g
鷹に矢羽根図目貫無銘赤銅地 容彫 金色絵 長さ:42.9mm 幅:12.9mm 厚さ:4.3mm 重さ:4.6g長さ:41.9mm 幅:11.8mm 厚さ:4.7mm 重さ:4.0g
枝菊図目貫無銘赤銅地 容彫 金銀色絵 長さ:40.9mm 幅:13.7mm 厚さ:4.8mm 重さ:4.2g長さ:40.4mm 幅:13.5mm 厚さ:5.2mm 重さ:3.8g
二疋獅子図目貫無銘赤銅地 容彫 長さ:34.8mm 幅:15.6mm 厚さ:4.7mm 重さ:4.6g長さ:34.8mm 幅:15.4mm 厚さ:5.1mm 重さ:4.3g
二疋牛図目貫無銘赤銅地 容彫 金色絵 長さ:38.1mm 幅:16.2mm 厚さ:5.4mm 重さ:6.7g長さ:37.9mm 幅:16.2mm 厚さ:6.2mm 重さ:6.9g
矢羽根図目貫無銘赤銅地 容彫 長さ:27.1mm 幅:10.3mm 厚さ:2.5mm 重さ:1.2g長さ:26.9mm 幅:10.3mm 厚さ:2.2mm 重さ:1.1g
刀装具の価格を見て、「高い」と感じたことがありますか?私はあります。というか、最初の頃はほとんどすべてが高く感じていました。 目貫、鐔、縁頭……。初めて見るジャンルは、たとえ価格が控えめであっても、「未知のもの」に対する...
刀装具のなかでも、最初はなかなか意識されにくい部位があります。「縁頭(ふちがしら)」──鞘の縁(ふち)と柄の頭(かしら)に取り付けられる金具で、あまり目立たない部分かもしれません。ですが、私にとってはこの縁頭こそ、刀装具...
鐔(つば)に施された“透かし”という技法には、光と影が織りなす美しさがあります。刀を握る人の手元にありながら、見る者の目を奪うほどの繊細な意匠──それが透かし鐔の魅力です。今回は、私が思わず見入ってしまった透かし鐔との出...
今年で、日本刀に出会って4年ほどになります。最初は知識などまったくないまま、ただ「かっこいい」「なんとなく好き」という感覚だけで脇差を選びました。今回は、そんな“直感”から始める日本刀との関係について、少しお話ししてみた...
刀装具を眺めていると、ふと「これを誰が作ったのだろう」と思うことがあります。目貫、縁頭、鐔──どれも小さな金属の板や塊にすぎません。けれどそこには、植物や動物、人物や風景までもが息づいていて、まるで時を越えて語りかけてく...
刀装具と聞いて、多くの人は「美術館に飾られているようなもの」や「ガラスケースに収められた骨董品」を思い浮かべるのではないでしょうか。実際、私自身もこの世界に足を踏み入れる前はそう感じていました。 しかし、刀装具を手元に置...
鐔(つば)という刀装具には、正面から見える意匠だけでなく、その「裏側」にも独特の魅力があります。今回は、私自身が惹かれた一枚の鐔を通して、“裏の美しさ”についてお話ししてみたいと思います。 👇️前回の記事はこちら 鐔との...
刀装具の魅力は、意匠や技法だけではありません。その中には、四季の草花が描かれていることが多くあります。 👇️前回の記事はこちら 梅、桜、朝顔、菊──いずれも、日本人にとってなじみ深い季節の花ばかりです。 中でも、最近手に...
刀装具の魅力は、意匠や技法だけにとどまりません。その佇まいを支えているのは、金属という素材の持つ、色や質感の豊かさです。 👇️前回の記事はこちら 今回は、私が惹かれた素材「赤銅」や「四分一」について、印象や体験をもとに綴...
雨宿りで偶然出会った日本刀。それが、私と刀装具の世界とのはじまりでした。 👇️前回の記事はこちら かつての日本刀には、多くの美しい金属装飾が添えられていました。今回は、その中でも特に私の心をとらえた「目貫」という小さな存...
刀剣に関心を持ったきっかけは、ある雨の日の偶然の出会いでした。初心者の視点で、日本刀や刀装具への興味が広がっていく感覚を綴っています。