町人文化が愛した“蟹”──親しみと祈りをこめた意匠
水辺にすむ蟹は、昔から日本人にとって身近な存在でした。波打ち際を横に素早く歩く姿、堅い甲羅に守られた身体、そして威嚇するように構えたはさみ──その独特な形態は、自然の不思議さと生命力を直感的に感じさせるものがあります。 ...
水辺にすむ蟹は、昔から日本人にとって身近な存在でした。波打ち際を横に素早く歩く姿、堅い甲羅に守られた身体、そして威嚇するように構えたはさみ──その独特な形態は、自然の不思議さと生命力を直感的に感じさせるものがあります。 ...
這龍図目貫無銘赤銅地 容彫 金色絵 長さ:40.4mm 幅:13.8mm 厚さ:5.1mm 重さ:5.8g長さ:40.8mm 幅:14.2mm 厚さ:6.0mm 重さ:5.7g
三疋馬図目貫無銘赤銅地 容彫 金色絵 長さ:41.4mm 幅:13.1mm 厚さ:5.3mm 重さ:6.4g長さ:40.2mm 幅:12.2mm 厚さ:4.3mm 重さ:4.5g
二疋蟹図目貫無銘赤銅地 容彫 金色絵 長さ:36.4mm 幅:15.0mm 厚さ:6.4mm 重さ:6.5g長さ:35.3mm 幅:14.5mm 厚さ:6.0mm 重さ:7.2g
虎の姿を見たことがある日本人は、かつて一人もいなかったはずです。けれど、私たちはなぜか、虎という存在をよく知っている気がします。 それは、絵巻や屏風、刀装具や陶磁器など、さまざまなかたちで“虎のイメージ”が語り継がれてき...
古来より、日本人は自然の中に“かたち”を見出し、その姿に意味や物語を重ねてきました。刀装具においても、猪はしばしば画題として登場する動物のひとつです。その力強さ、荒々しさ、そしてまっすぐに突き進む姿は、戦(いくさ)の時代...
少し前になりますが、久しぶりに壬生寺に行った時のことをレポートします。参加したのは、2022年7月9日(土)です。 👇️前回の記事はこちら 壬生寺での特別体験 壬生寺で羽織を着て刀を持てるイベントは珍しいので、事前予約制...
咬合虎図目貫無銘赤銅地 容彫 金象嵌 長さ:38.4mm 幅:12.8mm 厚さ:5.2mm 重さ:5.3g長さ:37.4mm 幅:13.8mm 厚さ:5.4mm 重さ:5.5g
狗児戯鮑貝図目貫無銘赤銅地 容彫 銀色絵 長さ:31.0mm 幅:14.1mm 厚さ:5.7mm 重さ:5.0g長さ:34.2mm 幅:16.4mm 厚さ:5.8mm 重さ:5.0g
二疋猿猴図目貫無銘赤銅地 容彫 金色絵 長さ:37.2mm 幅:14.5mm 厚さ:5.5mm 重さ:3.9g長さ:36.1mm 幅:14.2mm 厚さ:5.4mm 重さ:4.1g
名も刻まれず、ただ“家”の名のもとに作られた刀装具──。後藤家は、四百年にわたって彫金の伝統を支え、制度の中で美を育てた一族でした。この記事では、その足跡と思想をたどりながら、「家業」という視点から刀装具の文化的役割を見...
刀装具や日本文化について学びたいと感じたとき、信頼できる資料に触れることはとても大切です。とはいえ、古い書籍は手に入れにくく、すぐに読める環境が整っているとは限りません。そんな時に頼りになるのが、国立国会図書館デジタルコ...
「万年青(おもと)」とは、文字どおり「万年も青々とした葉を保つ」ことから名づけられた植物です。常緑であることから縁起がよいとされ、古くから日本人に親しまれてきました。 葉は厚く、艶があり、中心から大きく扇状に広がるその姿...
後藤家は、刀装具の制作において長く宗家としての地位を保ち、格式ある「家彫」の系統として知られてきました。江戸幕府をはじめとする将軍家や有力大名に仕えたその歴史は、権威と制度のもとに積み重ねられたものといえます。 その一方...
家彫という言葉に象徴されるように、後藤家の刀装具は単なる職人仕事ではなく、家格や組織的な仕組みと共に紡がれてきた技術と格式の集積でした。 前編では、初代祐乗から四代光乗に至るまでの技術と思想の確立をたどりましたが、後編で...
日本刀を飾る刀装具は、単なる装飾にとどまりません。 武家の身分や美意識を映し出すこれらの彫金は、時に権威の象徴として、時に精神性を語る手がかりとして重んじられてきました。 その中でも後藤家は、四百年にわたり将軍家や大名に...
刀装具の意匠には、しばしば驚くほど身近なものが登場します。 その中でも「茄子(なす)」は、一見すると地味に思えるかもしれませんが、実は深い意味が込められた画題です。日本文化における茄子の象徴性や、武士たちがなぜこの植物を...