なぜか“裏側”ばかり見てしまうようになった話
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気づいたら、鐔を手に取ると
“裏側”ばかり見ている自分がいました。
もちろん、最初は表を見ています。
でも、ほとんどの場合、すぐにひっくり返してしまう。
自分でも、ちょっとおかしいと思います。
刀装具を見るとき、
裏と表の両方を確認するのは、ある意味では当たり前のことです。
自分も最初から、どちらも見るようにしていました。
ただ、あるとき気づきます。
「自分は、裏のほうばかり見ているな」と。
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きっかけは、蜘蛛の目貫を買ってから10日ほど経った頃でした。
また、蜘蛛の意匠に出会います。
今度は、鐔でした。
たった10日で、また同じモチーフを選んでいる。
少しおかしいなと思いながら、手に取ります。
そして、いつものように裏返す。

その鐔の裏側は、とても静かでした。
装飾はほとんどなく、
余白が多い。
表と比べると、明らかにシンプルです。
でも、なぜかそちらのほうが落ち着くんです。
視線が、長く留まる。
理由は、うまく言えません。
ただ、何度見ても、裏のほうに戻ってしまう。
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それからというもの、
鐔の見方が少し変わりました。
表を見る。
でも、すぐに裏を見る。
むしろ、裏を見ないと落ち着かない。
今では、表をじっくり見る前に、
裏を確認していることのほうが多いかもしれません。
不思議なことに、裏に惹かれる鐔は、
表も自然とよく見えてきます。
でも、その逆はあまりありません。
表がどれだけ華やかでも、
裏に違和感があると、手が止まる。
「なんとなく違う」と感じてしまうんです。
もしかすると、
刀装具を見るというのは、
「何を見るか」ではなく、
「どこに惹かれてしまうか」なのかもしれません。
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もし、鐔を見る機会があれば、
先に裏側を見てみてください。
表ではなく、裏から。
もしかしたら、
少し違った見え方になるかもしれません。
そしてもし、
なぜかそちらのほうが気になったとしたら、
それは、ちょっと面白い感覚かもしれません。
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